「糸島富士」と称えられる可也山の中腹に所在する。かつては多くの僧房があったというが、現在は失われるも地元の篤い信仰により大切に祀られている。像高171cmのカヤ材の一木から彫出され、背面三ヶ所から内刳りが施される。十一面を頭上に巡らせるその表情は穏やかに笑みを浮かべ、体躯の曲線や浅い衣文等からも穏やかな印象を与える。平安時代後期の12世紀後半の造立と考えられる。