文化財って何・文化財の分類

文化財って何?

文化財は、我が国の長い歴史の中で生まれ、育まれ、今日まで守り伝えられてきた貴重な国民共有の財産です。また、地域の歴史、文化などの正しい理解のためにも欠くことのできないものであると同時に、将来の文化の向上発展の基礎となるものです。
昭和25年制定の文化財保護法では、「この法律は、文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もって国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的とする」として、文化財の保護について、国民文化の形成や世界文化の進歩への寄与など、その役割について述べられています。
文化財には、社寺や民家などの建造物、仏像、絵画、書画、芸能や工芸技術のような「技(わざ)」、伝統的行事や祭りなどがあり、あるいは長い歴史を経て今に残る自然の景観、歴史的な集落、町並みなども含まれます。
文化財を保護する仕組みとして、文化財保護法や地方自治体の条例による指定や登録といった制度があります。そのうち、文化財保護法に定められている文化財は、有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物、文化的景観及び伝統的建造物群の6つの類型に大別されており、それ以外にも文化財の保存技術及び埋蔵文化財についても保護の対象とされています。また、近年では、文化財の概念は、社会の発展や人々の価値観の変化などに伴い、徐々に広がる傾向にあります。
本県の文化財については、地域の歴史や文化の証として育みながら、次世代へと継承していく必要があります。

文化財の類型

有形文化財 建造物
美術工芸品(絵画、彫刻、工芸品、書跡・典籍、古文書、考古資料、歴史資料)
無形文化財 演劇、音楽、工芸技術等
民俗文化財 有形の民俗文化財(無形の民俗文化財に用いられる衣服、器具、家屋等)
無形の民俗文化財(衣食住・生業・信仰・年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術)
記念物 史跡(貝塚、古墳、都城跡、城跡、旧宅等)
名勝(庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳等)
天然記念物(動物、植物、地質鉱物)
文化的景観 地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地
伝統的建造物群 宿場町、城下町、農漁村等
文化財の保存技術 文化財の保存に必要な材料製作、修理・修復の技術等
埋蔵文化財 土地に埋蔵されている文化財