市(いち)の繁栄と皆の無病息災を願い、神仏の加護に感謝の誠を捧げ、太宰府天満宮や観世音寺などの寺社に奉納する芸能である。専門の芸能集団を組織せず、あくまで「六座」の子孫たちが商工業を営みながらこの伝統芸能を継承してきたことに特徴がある。現在は、ささら、扇を使った稚児による舞と、笛、太鼓を使った楽人による演奏とお囃子という田楽の形として伝えられ、演目は「道楽(みちがく)」「お御供上(ごくあ)げ」「ささらの舞」「扇の舞」の4曲である。稚児(ちご)(小学校高学年の男子)1名と、楽人(壮年老年男子8名ほど)で構成される。9月に行われる太宰府天満宮の神幸式と旧暦の9月10日の秋思祭(しゅうしさい)にて奉納される。笛の音は非常に簡素であるが、品格を持ち、古来の様式をよく残している。