総高203cm、像高180cm、カヤ材の一木造で、頭体部から台座蓮肉の束まで一材から彫られ、内刳もない。もとは漆下地に彩色が施されていたらしいが、ほとんど剥落して美しい木目が見える。頭部は体部に比して小さくまとめ、植付けた螺髪がなくなり素髪状となる。顔面はやや長く、目尻を上げた鋭い彫眼を刻み、小ぶりながら切れの良い鼻と唇が印象的である。体部は厚い胸・腹部で腰をしぼり、偏袒右肩につけた衣は、量感豊かな腰・膝をつつみ重くたれている。小ぶりな頭部、下半身を大きく彫る体躯等平安期の一木造の特徴を良く伝えている。