旧長崎税関三池税関支署庁舎は、明治41年(1908)に三池港の開港と同時に開庁した。昭和40年(1965)に現三池港湾合同庁舎に機能が移るまで税関として使用されていた。当初は本館と付属建物が建設されたが、本館のみ現存する。建物は、木造平屋建、入母屋造に切妻造が付く。屋根は桟瓦葺、一部銅板葺、外壁は下見板張である。室内外共に装飾は少なく簡素にまとめられる。内部は公衆控所、事務室、応接室、書類室に分かれる。公衆控所と事務室の境にカウンターが設けられており、そこで関税の手続きが行われた。国内でも数少ない明治期の税関庁舎であり、三池炭鉱と三池港の歴史を物語る貴重な産業遺産として価値が高い。