鎮国寺は大同元年(806)に空海が建立したとされるが、中世は宗像大社の神宮寺として、また近世では福岡藩主黒田氏の保護を受けるなど繁栄した。本堂には宗像五社(沖津宮・中津宮・辺津宮・許斐権現・織幡神社)の本持仏とされる五躯(大日如来・釈迦如来・薬師如来・阿弥陀如来・如意輪観音)が安置される。いずれも桧を材とする寄木造で、玉眼を嵌入する。いずれも面相や作風・プロポーションなど相違点は特段認められないことから一具とみられ、鎌倉時代の作と考えられる。