岩戸山古墳は、墳丘長約135mを測る北部九州最大規模の前方後円墳。6世紀前半に築造された筑紫君磐井の墳墓とされる。墳丘や別区からは諸種の石製品が多数発見されている。石製品はいずれも阿蘇溶結凝灰岩製であり、種類は、武装石人・裸形石人・馬・猪・鶏・水鳥・翳・蓋・靫・刀・坩・盾などの人物、動物、武器・武具、器財類等である。有明海沿岸には石製品を古墳に樹立する事例がいくつかみられるが、その中で岩戸山古墳は質・量とも突出した存在であり、北部九州の古墳時代を考える上で重要であり、また美術史的にも貴重なものが多く含まれている。