坂東寺は、寺伝によると延暦22年(803)に最澄によって創建されたという。広大な荘園を寺領として与えられ桓武天皇の勅願寺として栄えた。石造五重塔は、鎌倉時代貞永元年(1232)に造られたもので、当初は東西に2基建てられていたが西塔だけが残る。東塔は、天保3年(1832)に久留米藩第9代藩主有馬頼徳によって建てられた模作塔である。初層塔身には四方仏を浮き彫りにし、各層塔身には四面に梵字が刻まれている。在銘の石塔としては筑後地方最古のものである。