凝灰岩を板状に切り、光背形にくぼめた中に不動明王を厚肉彫りに刻む。右手に剣、左手に羂索といわれる縄をもつが、頭部は欠損が多く、厳めしいであろう表情は残念ながら観察できない。「大願主藤原助継」の銘があり、レリーフが深くシノギの立ったノミ使いは14世紀に活躍した藤原助継特有のものである。横にある天正5年銘の梵字阿弥陀三尊板碑とともに、古刹普光寺の塔群の中で代表的なものである。