大善寺玉垂宮にて正月7日夜に行なわれる年頭の行事。夕刻になると向鉢巻、袴姿の氏子達が小松明を手に集合し、社前の川で汐井取りをし身を清め、社殿を3回詣うでる。この汐井掻きが終わると、「一番ナーレ」と梵鐘が鳴り、小松明を持つ「小手振り」に先導され、6本の大松明が境内に整列する。やがて小手振りの火が消され闇になると、「二番ナーレ」と2番鐘が鳴り、勾当家(コウトウケ)が本殿から鬼火を持ち出して大松明に点火する。狩衣姿、鳥兜に天狗面をつけ鉾をもち、双方に分かれ立ち会い、刀でわたりあい姿を消す。若者達が、長さ12mの竹を束ねた松明を合掌・雁股で支え境内を練り廻る。また、鬼は子供達のカチカチ棒に守られ本地堂の縁にかくれ7回半まわる。大松明は鐘の連打を背に境内を周回し、当番の松明は鬼と共に汐井掻きに行き、本殿に還るころ厄鐘(ヤクガネ)が打たれ、冬空をこがした火の祭典は終了する。