力石とは、力試しに使われるような大人一人でかかえるには難しい程の巨石。占いのために石を持ち上げる「石占」が起源という説もあるが、江戸時代には力試しとして使われていたという記録が残る。櫛田神社には文政13年(1830)の銘をもつ力石をはじめ、博多の船問屋が奉納したもの等が伝えられている。博多にはかつて相撲を職業とする人たちがいたとされ、各地に興業に出向いていたとされる。力石は博多での相撲の人気ぶりや、商業の繁栄ぶりを伝えるものといえよう。なお、近年の横綱によっても力石が奉納されており、文化財と共に置かれている。