高木神社の宮座行事は、古くは「ジンガ」と呼ばれる特定家筋の世襲制によって支えられていたが、現在は地元の8地区が順番に座元を引き受け、「ジンガ」も各地区から1名ずつ出している。座元は行事の中心となる「御当」とその介添え役の「相当」を選び、その他の諸役を決定してから行事を行う。「御当」に子どもが選ばれること、行事の中に「御ホシ」による「穀霊つなぎ」がみられることが特徴的である。福井神社の宮座行事は、中心となる宮柱1人、神課(ジンガ)24人はいずれも世襲制であったが、現在は神社総代会長、神課には大字福井の3地区から選出されている。「御星」による穀霊つなぎがみられることは貴重である。両宮座行事は、準備段階から宮座・座元譲り渡しまでの一連の行事の中に、中世以来の村落祭祀及び村落共同体の結束がみられ、その伝統が維持されている。