牛頸窯跡は古墳時代から平安時代にかけて営まれた西日本最大規模の須恵器窯跡群。出土品の中には具体的な内容が刻まれた刻書土器が含まれ、貴重な存在である。ハセムシ窯跡群出土のものには、大甕を古代の税の一種である「調」として納めることが記されていた。これは、奈良時代、牛頸須恵器窯跡のあった筑前国が、須恵器を納める国に指定されていたことを裏付けるものである。また、当時の律令で定められた様式どおりに書かれており、牛頸須恵器窯跡のあった地域の国名、郡名、里名が分かり、税に携わった工人の名も分かる非常に貴重な資料といえる。