日田街道に面する観音堂に安置される聖観音立像。寄木造で像高は59.5cm。玉眼が嵌入される。顔の輪郭、目元や口元の優しく穏やかな丸みを持った線は室町時代の様式を示す。胎内に「大仏所発心武蔵」「応永廿一年八月日うまのとし」の墨書があり、作者とともに応永21年(1414)という年代までわかる貴重な事例である。人々の信仰は篤く、毎年7月17日には六月堂と呼ばれる祭りが行われる。