原田遺跡は、遠賀川の支流である屏川と浦谷川にはさまれた標高75mの馬場見台地の先端部に位置している。墳墓群は、木棺墓、土壙墓、石蓋土壙墓、甕棺墓など77基の墓で構成され、弥生時代中期(約2200年前)~古墳時代初期(約1800年前)に属する。墳墓からは、銅鐸・鏡、鉄製武器、石製武器、装飾品等多くの副葬品が見つかった。嘉穂盆地において、集団墓地の埋葬施設内から青銅器が検出される例は珍しく、中でも、埋葬施設から銅鐸が出土することは極めて異例で、これらの青銅器が嘉穂盆地にもたらされた社会的背景等を解明する事例として重要である。