太宰府天満宮は、学問の神様として広く崇敬を集める菅原道真を祭神として祀る神社である。延喜3年(903)に菅原道真が亡くなった際、遺骸の埋葬地が現在の本殿の場所とされる。現在の本殿は、天正19年(1591)に筑前国主であった小早川隆景によって再建されたものである。本殿は桁行3間、梁間2間の身舎の四方に庇を巡らし、さらに前面庇に孫庇をつける。屋根は檜皮葺で正面に軒唐破風、左右両側には唐破風の車寄せがつく。身舎正面は金彩の円柱を立て、床を一段高く張って内陣とし、黒漆塗りの壇を設けて御神体を安置する。前面庇・孫庇からなる空間を外陣として人の礼拝空間とする。太宰府天満宮は菅原道真を祀る霊廟として他に類を見ない建築形式であり、天神信仰の発祥地として重要である。