観世音寺に奉納された舞楽面。舞楽は8世紀頃、中国から伝えられた舞踊で、雅楽にあわせ面をつけ踊るものである。面は陵王1面、納曾利2面がある。舞楽の中でもインド系のもので象徴化が進んだ表現になっており、眼と下あごが動く。陵王は高さ42cm、髪を逆立てた上に、竜がまたがっている。頬を張り鼻稜が高く皺を刻んでいる。納曾利は高さ約27cm、頬肉を盛り上げ、上下の牙をむいて下地胡粉に彩色が施されている。鎌倉時代の作。