筑後・肥前地方では室町時代から江戸時代にかけて、厚い肉彫りで六地蔵を浮彫りした塔身をもち六角屋根をかぶせた六地蔵塔が多く造られる。肥後ではこれとやや異にするものが分布するが、法雲寺塔はその折衷様式として古いもの。安山岩製で総高121cm、棹石の上面に金剛界四仏の種子が刻まれる。塔身に六面に宝冠をつけた立像があり各体の間に区切りをつけている。比丘形地蔵尊といわれ、胎蔵界曼荼羅等に表現されている像である。上部は六角形の笠をつけ、安定した広がりをもつ。