小石原焼は、東峰村小石原に伝わる伝統的な陶芸技法で、文禄・慶長の役後に伝えられた朝鮮半島の陶技が、初期の高取焼を経て17世紀末に同地に定着したのがその始原であるとされる。以来、同地から採取される鉄分の多く含む陶土を用いて成形し、鉄釉・灰釉などを施したり、更に釉薬の打ち掛け、流し掛け、櫛目、指描、刷毛目、飛鉋などの技法によって装飾した陶器が製作されてきた。保持者の福島善三氏は、伝統的な原材料や釉薬を研究し、その用法や製作技法が伝承された上に更なる創意工夫を加えており、現代感覚にあふれた作風は極めて芸術性が高い。