元亀3年(1572)に寄進された、現存する中で最古の板笈。藤の一木を折り曲げた枠の上半部に板を張り、背面には二羽の鷹と阿吽の獅子がそれぞれ金銅で打ち出された、非常に荘厳な笈である。壇板の銘板に名の書かれた「座主舜有」は、座主が山内ではなく、英彦山南西の黒川(現:朝倉市黒川地区)に居を構えていた時代(1333~1587)最後の座主である。