飛幡八幡宮(戸畑区浅生)、菅原神社(同区菅原)、中原八幡宮(同区中原東)にそれぞれ併祀されている須賀神社の氏子による山笠行事である。飛幡八幡宮の東大山笠・西大山笠、菅原神社の天籟寺大山笠、中原八幡宮の中原大山笠の4基の大山笠を中心に、(地区ごとに若干の違いはあるものの)各神社での神移し、町内巡幸、競演会、神納めなどの行事を行っている。戸畑祇園大山笠の最大の特徴は、昼の姿の「幟山(のぼりやま)」から、夜になると「提灯山(ちょうちんやま)」へ姿替えを行う点である。幟山は勾欄付きの山笠台に神霊(分霊)を納める祠を据え、その周囲に紅白の幟12本を立てる。前面には紙製の巨大な前花、後に豪華絢爛な刺繍で仕上げた見送り(幕)があり、山笠台を切幕、水引幕で飾る。夜になると勾欄や幕などの飾りを全て取り去って、山笠台上に四角錐状にヤグラを組み、12段の横木に計309個の提灯をつける。中日(土曜日)の夜には、4基の大山笠と、各地区の中学生が舁く4基の小若山が、戸畑区役所前の浅生1号公園に一堂に会する競演会が開催される。ハヤシの音と共に提灯山笠の競演が行われ、夏の夜に灯の祭典が繰り広げられる。