7世紀後半~8世紀にかけての筑前国糟屋評(のちに郡となるものの前身)の役所跡と考えられる、古代官衙遺跡である。政庁跡や正倉跡(倉庫)が見つかっており、評(郡)衙(役所)の建物配置や空間構成がわかる。また、古代の高規格道路として整備された西海道駅路(官道)から分岐する道路跡も確認されている。698年に製作された京都府の妙心寺の梵鐘に、「糟屋評造舂米連廣國(かすやのこおりのみやつこつきしねのむらじひろくに)」という銘文があり、当時の役所の長官名と実際の遺跡が分かる数少ない例である。