小郡官衙遺跡群は、小郡官衙遺跡と上岩田遺跡からなる。前者は7世紀中頃~8世紀後半にかけて4時期の変遷があり、特に7世紀末~8世紀後半の建物配置や区画の構造は、その時期の典型的な特徴を示す好例で筑後国御原郡衙と考えられる。後者は、7世紀後半から9世紀前半の時期で、官衙的な建物群と金堂の基壇からなる。頑丈である基壇には多数の地割れがあり、678(天武7)年の筑紫大地震の被害を受けたと考えられる。