三沢遺跡は、九州歴史資料館に隣接する丘陵上に広がる弥生時代中期(約2000年前)の集落遺跡である。この丘陵は、昭和40年代のはじめに九州自動車道建設のための土取り候補地となり、確認調査の結果三沢遺跡が発見された。その後保存される運びとなり、昭和53年に県史跡に指定された。4つに分かれる丘陵上に竪穴住居跡や貯蔵穴が分布し、そこから集落内の生活集団での家族単位が捉えられている。また、周辺で同様の丘陵上の遺跡のほとんどが丘陵ごと消滅する中、当時の景観を残す意味でも貴重である。