多宝千仏石幢は、中国・遼(モンゴル系遊牧民・契丹族が建てた王朝)の石造八角形の石幢(仏教の経文を刻んだ石柱)である。石幢は、屋蓋部・軸部・基壇部によって構成される。屋蓋部は宝頂と屋根付き八角宝形造、軸部は中台を挟む大小2段の幢身、そして基壇部は蓮台3段と束2段からなる五段積みである。幢身には、仏龕に収められた尊像や梵字による陀羅尼および銘文が刻まれており、刻銘の中国年号より太康10年(1084)に建てられたことがわかる。