旧百三十銀行行橋支店は大阪に本店を置く旧百三十銀行の行橋支店として大正3年(1914)に建設された。辰野・片岡事務所の監督のもと、清水組(現在の清水建設)の設計・施工により、大正3年(1914)に竣工した。主屋は煉瓦造2階建、寄棟造、スレート葺、三方に屋根窓を設ける。正面に1、2階を貫くジャイアントオーダーの柱型を並べ、中央上部にパラペットを立ち上げる。室内は天井の高い一室構成で、隅に応接室を確保し、残りの大空間をカウンターによって客溜りと事務室に仕切る。外観はルネッサンスを基調にセセッションの意匠を加味し、装飾を簡略化して垂直線を強調した意匠である。内部も天井の高い銀行建築に特有の空間構成を示し、大正前期の建築的特色を発揮した本格的洋風建築として貴重である。