高良大社は、筑後平野を一望できる高良山の中腹に鎮座し、古くから筑後国の一の宮として人々の崇敬をうける。高良玉垂命を主祭神とし、両脇に八幡大神、住吉大神を祀る。現在の社殿は久留米藩三代藩主有馬頼利によって再建されたもので、本殿は万治3年(1660)、幣殿、拝殿は寛文元年(1661)に完成した。大鳥居は高良山麓の参道入口に位置する石造明神鳥居で、承応3年(1654)に久留米藩2代藩主有馬忠頼が寄進したものである。本殿は桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、杮葺。周囲は三手先挿肘木の腰組みで勾欄つきの廻り縁がある。幣殿は桁行三間、梁間一間、両下造、杮葺である。拝殿は、桁行五間、梁間三間、入母屋造、杮葺、正面千鳥破風付、向拝三間、軒唐破風がつく。本殿・幣殿・拝殿は、九州における江戸初期の権現造の社殿であり、建立年代が明らかなもので重要である。