善導寺は承元2年(1208)、聖光上人により創建された浄土宗寺院で、江戸時代には九州の浄土宗の本山として繁栄した。 境内は筑紫平野中央部に位置し、境内地のほぼ中央に本堂が建つ。 本堂は、天明6年(1786)久留米藩主有馬頼僮・頼貴父子により再建された。入母屋造、本瓦葺、桁行七間、梁間八間、正面に向拝三間と背面に後堂がつく。 本堂の東に隣接して僧侶の居住や接客のための建築群である庫裏、釜屋、広間、書院、役寮および対面所、中蔵が立ち並ぶ。これらは延享5年(1748)の火災後、寛延・宝暦年間(1748〜1764)にかけて再建されたものである。大門は慶安4年(1651)の建立であり当寺内で最古の建物である。 善導寺は、本堂が九州最大級の本格的仏堂であり江戸時代後期の特徴をよく表わしている。近世寺院境内における僧侶の生活関連施設が揃って残っており貴重である。