像高194cmの立像で、首は別鋳し差首となっている。像容は頭に兜をつけ、口を真一文字に結び、全身に鎧をつける。右手に戟(げき)を持ち、左手は多宝塔をかかげる。両足で大きな邪鬼を踏みつける。銘文に「延徳三年(1491)三月吉日、願主須藤駿河守行重、大工大江貞盛……等」とあり、当時盛んだった芦屋鋳物師が造ったことがわかる。芦屋の鋳造技術は、全国でも高いレベルにあり、釜を代表として鐘・鰐口・鏡等が残されているが、このような仏像は珍しく、芦屋鋳物師の技術を結集した作品といえる。