飯塚市の立岩遺跡は笠置山からとれた凝灰岩で石庖丁を製作していた遺跡として著名である。その立岩遺跡の堀田地区の甕棺墓数基から、中国の前漢時代に制作された鏡などの豊富な副葬品が出土している。前漢鏡のほか、銅矛、鉄剣、鉄戈、ガラス製玉、ゴホウラ製貝輪などが見つかっており、中国や朝鮮半島との交易だけでなく、ゴホウラに代表されるような南島との交易も想起される。出土品から弥生時代中期の終わり(約2000年前)における、地域の首長(リーダー)が葬られていたと考えられる。