飯塚市の明星寺は、平寿山妙覚院という天台宗の大寺があったと伝えられ、その後聖光上人が堂塔を完備し十二坊を有したと「太宰管内志」に記されているが、現在はわずかに観音を祀る小堂が残るのみである。当碑は高さ85cmのほぼ四角柱の自然石の四面に、ア(地)・バ(水)・ラ(火)・カ(風)・キャ(空)の五大種子の四転を刻む。正面に種子をはさむ形で銘があり「法橋琳弁(朝か)八十一入滅 元亨二年(1322)七月二日」と記される。おそらく銘文の僧を供養するため、五輪塔の代わりに造立されたものであろう。