養源寺は、大分八幡宮の神宮寺であった長楽寺が明治になって廃寺となり、福岡市の養源寺を移し再興したものであり、多くの仏像が残されている。聖観音は像高166cmの立像で、後世の修理による漆箔が厚いので、詳細は不明な所があるが、桧材の寄木造である。高い髻を結び、地髪を細かく刻んで丸い張りのある顔につづく。やや切れ上がった眼等丁寧に造られた穏やかな顔で、奥行も厚い。厚い胸から一旦強く絞り、腹部にかけて盛りあがる抑揚ある造形である。平安時代後期の様式を示し、量感豊かな観音像である。