総高189cmの大振りの宝篋印塔。台石・塔身のそれぞれの四面の円相中に梵字が浅く刻まれ、基礎は胎蔵界四仏・塔身に金剛界四仏を表している。基礎石の上面に四段の階をつくり、相輪部の伏鉢・請花・花台を四角形にする等、福岡県内の塔の共通様式をもっている。上下の均整が良くとれ、塔身等引きしめ、古い様式をもっている。銘文がなく造立年代が決定できないが、おそらく室町時代中頃の作と考えられる。装飾的な宝篋印塔に変わってゆく過渡的な時期にありながら、塔本来の意味を残している最後のものであり、金胎両部四仏の梵字を刻むなど、県内でも特異なものとされる。