幸若舞は中世に流行した語りを主とした舞。平安時代に源流が求められ、武士階層を中心として好まれたが、現在全国で残されているのはこの大江の幸若舞が唯一である。毎年1月20日、大江天満神社の舞台で演じられる。正面に立烏帽子・素袍(すおう)・小太刀の太夫が正面に立ち、左右に折烏帽子のシテ・ワキをつれ、各々が扇を手に持つ。素袍の袖を握り両手を水平にのばし少し前傾させながら静止状態を保つ「構え」を基本とし、小鼓のかけ声と鼓に合わせ、太夫・シテ・ワキが同時に吟じ、太夫の朗吟をシテとワキが助吟する。また時に太夫は背を伸ばし、袴の前を握り、足拍子を踏みながら舞台の上を前後左右に動く。