筑豊盆地の中央部にあたるこの地は、以前は宇佐八幡の社領であり、若八幡神社に宇佐系の楽打が伝えられている。奉楽祭は秋彼岸の中日に境内に水神をまねき奉納され、俗にかっぱ祭とも呼ばれる。楽方は12名の半楽で、赫熊・白衣に藍白の手貫・ヘラの腰簑・藍白の脚絆で、腰前に太鼓・背に幣竿をつける。前日、本座へ水神を降神させ、その夜は平服で地区をならし歩く。当日は神社の水神棚の前庭で奉納するが、舞は他の楽にくらべ静かである。2列に向い合い、一番楽の指揮のもと、腰を屈伸し左右に回転し、太鼓は端をこする。鉦・笛・大太鼓と、「宇佐ノ鳥居ノ前トカヤ」の囃子ことばをもつ歌にあわせおどる。