旧糟屋郡内では社家によって神楽が伝承され、毎年郡内各神社の祭礼に奉納されてきたが、明治維新を機にそれらは廃止された。篠栗町老松神社の社家「佐々雪」がその廃絶をおしみ、糟屋郡の総社的役割をはたしていた太祖神社の氏子青年に伝承し、神楽座を復興し現在にいたる。毎年4月14日・10月16日に太祖神社に奉納するもので、舞神楽7種目、面神楽(物語神楽)5種目と小神楽をふくむ蛭子舞計13種目が伝承されている出雲系の神楽である。特に毛頭・狩衣姿の舞手4人で舞う「四剣の舞」は、左手指間に榊の葉をはさみ、右手に白刃をひるがえし舞殿を左に廻る勇壮なものである。