「芦屋役者」は空也上人を祖とする踊り念仏集団であったと伝わり、彼らは江戸時代前期頃から、遠賀川河口の港町である芦屋地域に居住し、地元神社に属して芸能活動を行っていた。しかし、明治期に入り新しい娯楽が普及すると、古典芸能のみでの座の維持が困難な点等から1903年に芦屋役者は解散し、昭和初期にはその系譜も途絶えてしまった。芦屋役者関係資料は、江戸期を中心に活動した役者の芸能資料として貴重であり、江戸時代から現在に至る芦屋地域の芸能史の変遷を示すものとして翁面や刀剣類、衣装、小道具等が指定されている。