白山の山中にある12世紀から15世紀の中世山林寺院跡である。最盛期の鎌倉時代には350箇所の坊があったといわれ、現在でも山頂部や本谷地区、西谷地区に残存している。山頂部では中国から搬入された薩摩塔や宋風獅子といった石造物が発見された。本谷地区では、基壇をもつ五間堂を中心に小堂や鐘楼、瓦葺建物、墓地が見つかっており、周辺からは中国の景徳鎮産の青白磁や朝鮮半島の高麗青磁など貿易陶磁器の優品が出土している。令和2年3月に登山道が整備されており、白山神社から伊野天照皇大神宮までのルートを歩くことができる。