清祀殿跡は香春岳・三ノ岳の麓に位置し、古代より宇佐神宮の放生会で用いられた神鏡を鋳造した施設の一部である。神鏡鋳造の際は勅使が下向して行われたが、その勅使のために建てられたのがこの清祀殿である。香春岳は原料の銅を産出することでも知られ、付近の「採銅所」の地名はそのことを物語る。鏡を鋳造した場所や清祀殿の柱跡そのものは確認されていないが、付近の遺跡の発掘調査では銅滓が出土しており、その関連がうかがえる。