国史跡である英彦山は、国内を代表する修験道の霊山で、山中には現地に残るものを含め、関連した殿舎寺坊があった。そこに築かれた庭園が複数残されており、その内7ヶ所の標記庭園が国指定の名勝で、いずれも池泉鑑賞式である。追加指定以前に国指定であった旧亀石坊庭園は、英彦山内の最古の庭園で、雪舟の作庭との伝承がある。底の浅い池泉、大きな滝添石で構成された滝石組、池中に配された天端の尖った立石、池に張り出した護岸石などの特徴的な意匠である。