大宰府条坊の丘陵上に位置する古代寺院般若寺跡に立つ石造七重塔である。般若寺は孝徳天皇の病気平癒を願って、筑紫大宰帥・蘇我日向が白雉5年(654)に建立した寺院で、奈良時代に大宰府条坊内の丘陵地に移されたとされる。般若寺跡は、現在住宅地となっているが、7世紀末の掘立柱建物跡や8世紀の塔基壇の遺構が見つかっている。この七重塔は鎌倉時代の建立とされる。高さ3.3m、七層の笠石を重ねた花崗岩製の多層塔である。塔身の各面には梵字で金剛界四方仏が刻まれている。