像高220cmの坐像で、樟の寄木造。全体から見て大振りな頭部は、螺髪を細かく刻み、横張りの強い顔の切れ長な眼・鼻稜が高い割に小鼻が小さく、唇も小振りにまとめられている。そのような顔立ちや丸みを帯びる身体、並行する衣文など、平安時代後期の作を示すが、木造観音菩薩坐像に比べると形式的となり時期が下るものといえる。『筑前国続風土記』などに保安年間(1120~1124)造立と伝えるので、馬頭観音とほぼ同時期に制作されたと考えられている。