福岡県立育徳館高等学校は、明治初期に小笠原藩の開いた藩校育徳館に始まるが、その源流は、宝暦8年(1758)当時の小倉藩4代藩主小笠原忠総が開設した藩校思永斎に遡る長い歴史を持つ学校である。講堂は、明治35年(1902)に建築されたものである。主屋は桁行12間、梁間8間、寄棟造、桟瓦葺とし、正面に間口3間、奥行2間半の車寄がつく。外観は、下見板張りの大壁造で緑色のペンキ塗装を施す。内部背面中央に演壇を設け、上左右に2本ずつ台座上にイオニア式円柱を立てる。現存する福岡県内の学校建築の中でも最古の木造洋風建築として貴重である。