像高87cmの坐像で、頭体の幹部を樟の一材から彫出する。右手は施無畏印を示し、左手は掌に薬壺を載せ、右足を上にして結跏趺坐する様子は、薬師如来通有の姿である。丸みの強い体つきや浅く平行線状に刻まれる衣文は平安時代後期の特徴を示している。語りかけるような口元は特徴的であり、優しい顔立ちと相まって印象的である。