太宰府天満宮の裏手に「野見宿禰公」碑がある。野見宿禰は『日本書紀』などにもあらわれる相撲の祖ともよばれる人物で、菅原道真の祖先にもあたる。その碑の前に3個の力石が奉納されている。力石とは、力試しに使われたとされる大石。石には「松」「竹」「梅」と大きくかつ深く刻まれている。寄進者の名前も刻まれるが、「松」には「和七」の名がみえる。和七は広島県尾道の有名な力持ちであり、太宰府天満宮に嘉永7年(1854)に奉納したことがわかる。