福原長者原官衙遺跡は、旧豊前国に位置する古代の官衙跡である。九州歴史資料館や行橋市教育委員会による発掘調査で、大規模な区画溝や回廊状遺構、門跡や脇殿、正殿と考えられる大型掘立柱建物群が確認された。区画溝が東西約150m、南北約150mと地方官衙としては突出した規模を誇ること、また南門が大型の八脚門であること等から、極めて重要な国の行政施設であったと評価される。7世紀末~8世紀前半にかけて機能した後は豊前国府跡等に移転したと考えられている。現在は南門跡等の遺構が表面表示されている。