標高367mの立花山は、柳河藩主立花宗茂奮戦の地として有名であるが、この山腹一帯にクスノキが自生し、目通り幹囲3m余のものが多く、最大のものは七股クスと称するもので幹囲12m余に達している。幹囲3m内外のものは総計数千本といわれている。山の南面に多く発生し、山頂にはみられない。また立花山の西北方に続いてそれよりも低い松尾山と白岳とがあり、いずれも山頂付近までクスノキ林によって覆われている。立花山登山口のうち全城谷は谷間が広く、クスノキ林を見るのに便利である。クスノキの原始林として著しいばかりでなく、同種の分布北限地帯にもあたる。