新町支石墓群は、糸島半島に位置する弥生時代開始期の墓地である。この時期は、朝鮮半島から稲作とともに新しい文化がもたらされたが、墓や葬送儀礼も朝鮮半島からの影響を受けて大きく変化した。新町支石墓群で特徴的な支石墓はその代表的なものであり、出土した壺や磨製石鏃は、それらを副葬する習俗も新しく出現したことを物語る。また、墓の中には人骨も残っており、その形態に縄文人的要素が見られることから、縄文時代の人々が新しい文化をどのように受容して弥生時代がはじまったかを考える上で極めて重要なものである。